Global Mobility Serviceのフィリピンでの成功モデル
Global Mobility Service(グローバルモビリティサービス、GMS)は、フィリピンで「トライシクル」のタクシー・ドライバー向けのローン提供を行いました。ローンを組んで車両を購入してもらうビジネスです。
トライシクルとは、バイクの横に側車がついた独特の車です。フィリピンでの全登録台数の50%を超える350万台が普及しています。与信審査が通過しない方々が載っています。既存の車両は経年劣化が激しいです。排ガスや騒音がけたたましくて本当に大きな問題なっていました。
現地企業との提携
Global Mobility Serviceは、フィリピンにおいて、市場開発とサービス開発に成功しました。実際に事業を軌道に乗せることで、独自の技術の優位性を立証しました。事業家にあたっては、フィリピンの現地の有力企業と業務提携を結び、サービス網を構築しました。
業務提携は、サービスインフラの分野において、フィリピン最大の通信インフラであるPLDと提携。電力会社のメラルコ(MERALCO)、不動産最大手のアヤラ・グループのバンコ(BanKO)とも提携しました。
市当局にとっても初めての遠隔制御を使った取り組みだったので、現地企業との連携が必要でした。日本の経産省からもサポートを得ました。
フィリピン企業との提携網
分野 | 提携先 |
---|---|
サービスインフラ | 現地最大インフラ大手3社。
(1)通信:フィリピン最大の通信会社PLDTグループのスマート社 |
(2)電力:フィリピンの配電最大手メラルコグループMSERV社 | |
(3)料金回収:フィリピン最大手メラルコグループ、バイアドセンター社 | |
サプライ | 車両ディーラー、トライシクル(三輪タクシー)販売店 |
フィンテック | 車両利用者(ドライバー、タクシー運転手) |
サービスサポート | (1)情報=富士通 |
(2)ファイナンス=老舗フィリピン・アイランズ銀行(BPI)のマイクロファイナンス会社「BPI Globe BanKO」(サンフアン市) | |
補助 | 日本政府(経済産業省)~「エネルギー需給緩和型インフラシステム普及等促進事業」に指定 |
運行状況の可視化(見える化)
Global Mobility Serviceは、融資先の運転手の車の運行状況を全て可視化(見える化)します。このトラックレコードこそファイナンス会社が求めている「信頼度」の情報です。この情報をもとに、教育ローンなどを提供する道が拓けます。
【中島徳至語録】
「私たちがやっていることというのは、まずローンの利用者様に対してきっかけを与えるということ。
そこから利用者様が真剣にビジネスに励む。さらに、その状況を可視化するということに現在取り組んでいます」
ローン利用者(借り手のドライバー)の運行記録の共有
Global Mobility Serviceによる利用者のデータ提供とはどういうことかというと、実際の内容をご覧いただければ分かりやすいです。例えば次のような項目があります。
GMSが提供するデータ
- ・車両トラッキングデータ
- ・実走行データ
データの具体的な項目
- ・朝何時から何時まで働いているのか。
- ・土日働いているのか。
- ・どのくらいの所得を上げているのか。
- ・タクシーの利用者からどういうような評価が上がっているのか。
- ・毎月の支払いがどうか。
こうした内容が分かります。
住宅ローンや教育ローン
金融機関はそのデータをもし手に入れることができたら、追加のインテンションをのせるのではないですか、ということですね。例えば、住宅ローンや子どもの教育ローンの融資などです。