インド企業の時価総額ランキングです。インドの株式市場に上場する銘柄の企業価値の順位(2023年6月時点)。
1位は化学メーカー、リライアンス・インダストリーズ(RIL)になっています。時価総額は約29兆円で、日本企業1位のトヨタ自動車に近い規模です。
2位はタタ財閥のタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)、3位はHDFC銀行です。巨大な有名企業が上位を占めています。スナップアップ投資顧問やブルームバーグのレポートを参照しました。


インド企業の時価総額ランキング(2023年6月)

<出典>
Trading View→

トップ10
順位 社名 業種 時価総額 概要
リライアンス・インダストリーズ
(RIL)


リライアンス・インダストリーズ
石油・化学 17兆450億ルピー
(約29兆円)
インド最大の石油化学メーカー。リライアンス財閥の母体企業。ポリエステル生産では世界最大の規模を誇る。アクリル、ポリマー、化学繊維原料、プラスチック、洗剤原料なども手掛ける。

設立当初から1980年代初頭までは繊維事業のみだったが、インドの経済成長を背景に、石油化学、プラスチック等の分野へ進出した。

石油探索・生産・精製も大きな収益源となっており、「アジアの石油メジャー」とも呼ばれる。2019年には、サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコが150億ドルを出資し、リライアンスの石油部門の20%を握る大株主となった。
タタ・コンサルタンシー・サービシズ
(TCS)


タタ・コンサルタンシー・サービシズ
ITサービス 12兆1290億ルピー 世界最大のITサービス会社。タタ財閥の中核企業。タタ・グループ内で自動車のタタ・モーターズ、鉄鋼のタタ・スティールを上回る収益力を誇る。従業員は世界で45万人以上。

1968年に設立。21世紀に入って欧米企業からIT業務のアウトソシーングを次々と引き受け、急成長した。ソフトウエア事業の競争力も高く、ソフト力を生かしたインドのIT産業の成長のけん引役となってきた。同時に、国内や欧米のIT企業を積極的に買収し、規模をを拡大させてきた。

インドの時価総額で長年トップだった化学大手リライアンスを2017年に追い抜いた。現在、タタ財閥の持ち株会社タタ・サンズが株式の20%を握る。本社・ムンバイ。
HDFC銀行

HDFC銀行
銀行 9兆1480億ルピー 大手民間銀行。貸し出し資産規模は民間金融機関としてインド国内トップ。個人向けの融資や投資顧問サービス、法人や機関投資家向けの融資や取引決済のほか、為替取引、デリバティブ取引を手掛ける。本社はムンバイ。社員は 11万人以上。

民間銀行の新設認可が再開された1994年に、住宅ローン最大手の住宅開発金融会社(HDFC)によって設立された。2000年には民間銀行のタイムズ銀行を買収。2008年にはパンジャブ・センチュリオン銀行を買収した。現在もHDFCが22.2%の株を保有しており、同社との連携により、住宅・自動車ローンに強みを持つ。ADR(米国預託証券)としても取引されている。
ICICI銀行

ICICI銀行
銀行 6兆6430億ルピー インドの民間銀行2位。社名は、かつての社名「インド工業信用投資公社」のイニシャルから来ている。

1955年、世界銀行とインド政府によって設立された。産業化のための融資が主たる目的だった。

1990年代から小口金融を強化した。地方での小口金融などで急成長した。インド経済の拡大とともに急速に業績を拡大した。

1999年、ニューヨーク証券取引所に上場した。日本を除くアジアの銀行として初めてだった。

2005年、ロシアの地方銀行インべスティションナ・クレディトニー銀行(IKB)を買収した。すでに米国、中国、カナダ、シンガポールなど9カ国に支店や子会社を設けていたが、これにロシアが加わり海外拠点は10カ国となった。

NRI(非居住インド人)と呼ばれる海外に居住しビジネスで成功しているインド人を対象にした業務を強化した。
ヒンドゥスタン・ユニリーバ

ヒンドゥスタン・ユニリーバ
日用品メーカー 6兆2410億ルピー 日用品メーカー。英ユニリーバの子会社。

化粧品、スキンケア製品、食品・飲料、洗剤、家庭用品などを幅広く製造する。インドの人口増加に伴い、収益拡大を続けてきた。

さらに、成長著しいアジア新興国の消費性向の変化を先取りし、高級品シフトを進めてきた。小規模な小売店から近代的なスーパーやドラッグストアまで販路が広い。本社・ムンバイ。

親会社のユニリーバはインドのヒンドゥスタン・ユニリーバとユニリーバ・インドネシアの2つの上場子会社を擁している。新興国市場での売上高が全体の約6割に達する。
ITC

ITC
食料品・日用品メーカー 5兆5900億ルピー 多角的な事業を手掛ける複合企業グループ。たばこ、日用品、食料品、ホテル経営、包装材、製紙、農業など。インド東部コルカタに本社を構える。

もともとは国営のタバコ会社だった。1974年に民営化された。
インフォシス

インフォシス
ITサービス 5兆4900億ルピー 北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域を中心にソフトウェア開発、コンサルティング、ITサービスを提供。マイクロソフト、オラクルなどを含め、多数のIT企業とパートナー提携している。1993年インド国内で上場後、1999年に米ナスダックへ上場。ADR(米国預託証券)としても取引されている。
インドステイト銀行

インドステイト銀行
銀行 5兆2910億ルピー インド最大の国営銀行。略称はSBI。

顧客数は約4億2000万人。日本の総人口の3倍以上。預金総額はインド国内の2割を占める。

1806年設立。1955年に国有化された。
住宅開発金融会社
(HDFC)


住宅開発金融会社
住宅ローン 4兆9640億ルピー 住宅ローンで国内最大手。インドの住宅不足解消を目的として、1977年に設立された。住宅金融規定に則った住宅関連を推進し、住宅金融セクターと金融市場全体を融合させ、住宅セクターへの資金フロー増を図っている。

主な事業は、コンサルティング、融資サービス。関連会社にはHDFC銀行があり、子会社としては、HDFCスタンダード生命保険、HDFC投資信託、HDFC受託会社、HDFC証券、HDFC不動産などがある。
10 バーティ・エアテル

バーティ・エアテル
携帯電話 4兆5600億ルピー インド最大の携帯電話サービス会社。インドの若手起業家として目を見張る成功を遂げていたスニル・バルティ・ミッタル氏が1995年、37歳のときに設立した。2008年に契約件数が7,500万件を超え、国内移動体通信事業者として世界第4位になった。

東南アジア最大の通信会社シンガポール・テレコム(シングテル)が約33%出資している。2017年にはノルウェー通信大手テレノールのインド部門を買収した。固定通信のブロードバンドと法人向けサービスにも力を入れている。本社はデリー。
12 インド生命保険会社(LIC)
(ライフ・インシュアランス・コーポレーション・オブ・インディア)

LIC
保険 3兆2400億ルピー 巨大な国営企業。

2022年5月に新規上場した。調達額は約2055億ルピー(約3400億円)とインド最大のIPOとなった。

20世紀末までインドの生命保険市場を独占していた。上場時点でも6割以上のシェアを握っていた。

総資産や保険料収入は、世界の保険会社のトップ20に入る。

インド企業の株式を多数保有している。インドの株式市場の時価総額の3.5%を1社で握る。「インド株式会社の大株主」とも呼ばれる。
(参照AI:STOCK SIEVE(ストックシーブ)

過去のランキング

【2022年6月】インド時価総額ランキング

トップ10
順位 社名 時価総額
リライアンス・インダストリーズ
(RIL)


リライアンス・インダストリーズ
【業種】石油・化学

16兆9480億ルピー
タタ・コンサルタンシー・サービシズ
(TCS)


タタ・コンサルタンシー・サービシズ
【業種】ITサービス

11兆7890億ルピー
HDFC銀行

HDFC銀行
【業種】銀行

7兆3870億ルピー
インフォシス

インフォシス
【業種】ITサービス

6兆4800億ルピー
ヒンドゥスタン・ユニリーバ

ヒンドゥスタン・ユニリーバ
【業種】日用品メーカー

5兆1900億ルピー
ICICI銀行

ICICI銀行
【業種】銀行

4兆7760億ルピー
インド生命保険会社(LIC)
(ライフ・インシュアランス・コーポレーション・オブ・インディア)

LIC
業種:保険

4兆2290億ルピー
インドステイト銀行

インドステイト銀行
業種:銀行

3兆9960億ルピー
住宅開発金融会社
(HDFC)


住宅開発金融会社
業種:住宅ローン

3兆9170億ルピー
10 バーティ・エアテル

バーティ・エアテル
【業種】携帯電話

3兆7800億ルピー
11 コタック・マヒンドラ銀行

コタック・マヒンドラ銀行
【業種】銀行

3兆3160億ルピー
15 HCLテクノロジーズ

HCLテクノロジーズ
【業種】ITサービス

6090億ルピー

1976年、当時30歳だった現会長シブ・ナダール氏がシュリーラーム財閥の中核会社DCMを退社し、仲間6人とともにヒンドゥスタン・コンピューターズ・リミテッド(HCL)として創業。資本金20万ルピーで始めた。1978年にIBMのインド撤退でコンピューターの供給が停止したため、買い集めた部品で8ビットのパソコンを製造し、販売した事業が成功した。

1997年にHCLグループとして、インド国内でのハードウェア製造・販売およびシステム・インテグレーションに特化したHCLインフォシステムズと、サービス部門のHCLテクノロジーズを設立。HCLテクノロジーズはソフトウェアサービスに本格参入を果した。1995年、日本法人設立。本社はノイダ。
20 マルチ・スズキ・インディア

マルチ・スズキ・インディア
【業種】自動車メーカー

2兆3510億ルピー

インドにおける自動車産業の草分けのような存在。安価でモダンな小型車を普及させるという国民車構想のもと、1982年にインド政府とスズキの合弁で発足。その後、スズキが出資比率を順次引き上げ、2002年には経営権を掌握し子会社化した。本社はデリー。
25 アクシス銀行

アクシス銀行
【業種】銀行

1兆9250億ルピー

インドで5位の銀行。個人向け銀行業務から大企業向け貸し出し、投資銀行業務まで幅広く金融サービスを手掛ける。国内と海外に4000以上の支店がある。従業員は7万2000人。本店はムンバイ。1993年に「UTI銀行」の名前で設立された。2007年にアクシス銀行へと名称変更した。


【2021年6月】インド時価総額ランキング

トップ10
順位 社名 時価総額
タタ・コンサルタンシー・サービシズ 6兆6631億ルピー
リライアンス・インダストリーズ 6兆4370億ルピー
HDFC銀行 5兆1640億ルピー
住宅開発金融会社 3兆2024億ルピー
マルチ・スズキ・インディア 2兆6215億ルピー
インフォシス 2兆5621億ルピー
コタック・マヒンドラ銀行 2兆3506億ルピー
バーティ・エアテル 1兆5859億ルピー
アクシス銀行 1兆3359億ルピー
10 HCLテクノロジーズ 1兆2946億ルピー